野萱自治区の構成・現状は概要の通りで、全国の中山間地域の自治区・自治会と同様、少子高齢化による様々な弊害が起きていますし、コミニケーションの場が縮小し、中山間地の財産であった「共助・近助」が危機的状況にあります。
このような状況下、飯南町は平成17年に70近くあった自治会を14の自治区に再編、来年(令和7年)で20年を迎えます。
野萱自治区振興会も、平成17年5月31日総会を得て、規約第2条を理念に様々な活動に取り組み20年が経過しました。
この会の理念となる規約第2条
第2条(目的)
この会は、『野萱に住んで良かった』と実感できる地域にするため、地区住民相互の連帯と親睦を図り、社会基盤の整備促進、文化、経済、健康福祉および生活の向上、並びに地区の発展に努め、明るく住みよい地域社会を目指す。
野萱自治区振興会の組織
★20年間の主な取り組み
琴引山登山道整備・登山
琴引山は、古事記に掲載されている神話の山で、大国主命の尊が降臨され出雲地方の農業の基礎を築かれた。また、神無月には、日本中の万の神様ご琴引山に降りて、出雲大社に一同集合されたといわれており、小中学校の校歌にも歌われ住民の皆様に親しまれている飯南町のシンボル的山で昭和までは小学校の遠足、住民の皆さんも登られていましたが、平成に入り登山者も減り次第に登山道もクマザサに覆われ分からくなくなていましたのを整備し、以降毎年6月に野萱地区の住民により登山道の整備修理、10月には町内・町外に呼びかけ多くの人が紅葉の琴引登山を楽しんでいただいております。
「野萱ふれあいサロン」の開設
「向こう3軒両隣」と高齢者同士で話し合う人が身近におられましたが、高齢化が進む中で徐々に昔ながらの関係を続けていくのが難しくなっており、さらに高齢者を支える人口が減少という現状の中、振興会が「支える」側として高齢者のコミュニケーションの場を開設、運営することになり今年で10年目を迎えます。
「野萱地区自主防災組織」の立ち上げ
ここ数年、毎年のように相次いで大きな自然災害が起き、多くの死傷者や、家屋の倒壊・流失が多発し、しかも一定の地域ではなく日本全国いたるところで当たり前のように大災害が起きています。
今や自然災害は特別なことでなく何時でも何処でも起きるものと(特に大雨豪雨災害)考えていく事が必要との共通認識の元、住民の命と安全を守る「野萱地区自主防災組織」を平成31年4月1日に発足、以後毎
要との共通認識の元、住民の命と安全を守る「野萱地区自主防災組織」を平成31年4月1日に発足、以後毎年「避難訓練」・「防災研修」等を実施しています。
また、令和2年度には「宝くじコミュニティー助成事業(地域防災組織育成)」を活用、約200万円分の防災資機材を整備しました。
野萱地域の魅力化構想
飯南町は令和2年度から「総合振興計画後期基本計画」で定住対策の取組として各自治区別UIターン移住者目標を設定。これを受けて野萱自治区振興会は、令和3年4月1日に「定住対策部」を新たに設けました。
- 定住対策の行動計画として「のがやMIRAI創造計画」(令和3年度から6年度)を策定しました。
同時期に、三日市地内(商業地域)で空き家となっていた旅館をリノベーション、「カフェ」と「ギャラリー」を併設したコミュニティースペースの開設プロジェクトが始動しました。
振興会では「野萱地域の魅力創り」として位置付け、飯南町の「みんなで創る価値ある飯南暮らし補助金」の採択を受け、振興会として開設を財政的に支援しました。
令和6年度で3年目に入りましたが、カフェだけでなく、地元出身の芸術家、国内外で活躍する新進気鋭の若き芸術家の企画展(年4~5回程度)・こども絵画コンクール・「鐘や市」等の催しを通じ町内の住民を始め、町外の人併せて2年間で延べ7千人強の人が、野萱地域を訪れていただけるようになりました。
野萱自治区として、この方たちを、交流人口・関係人口に繋げていく取組みを行っていくこととしています。
「のがやMIRAI創造計画」
1.令和3年度 野萱の魅力づくり&情報発信「Cafe&gallery鐘や」開設支援。
2.令和4年度 野萱自治区内空き家調査(住宅状況の見える化、移住者の住宅確保)
3.令和5年度 のがや移住住宅確保事業 移住者が空き家をリフォーム資金の一部補助
4.令和6年度 ①地域内資源データベース構築とQRコードによる情報提供21カ所(9月23日公開)
②「賑いSPOT」創出応援事業。2団体認定。某集中。
③経済活動と地域振興をリンクさせ、地域活動参加促進。
電子地域通貨「い~にゃんPAY」ポイントを、振興会行事に参加した人に進
①~③のシナジー効果が期待できる。
野萱自治区UIターン移住者目標
以上、主な取り組みを上げましたが、その他にも各事業部が、規約第2条の理念をもって多くの活動を行っています
少子高齢化が、地域に与える影響は多岐にわたりますが、総合的な地域力の低下が、更に地域の人口減少につながり、更なる地域力の低下を招くという「負の連鎖」に陥ることは避けなければなりません。